大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和26(れ)1530 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人菊地養之輔の上告趣意について。

論旨第一点は原判決は審判を受けない事実に対して裁判した違法あるものという

単なる訴訟法違反の主張であり、論旨第二点は原判決は旧刑訴三六〇条一項の精神

に反し、従つてまた、所論引用の判例に違反するというのであるが、原判決は旧刑

事訴訟法事件の控訴審及び上告審における審判の特例に関する規則(昭和二五年一

二月二〇最高裁判所規則三〇号)八条に従い判決書を簡易にしたものであつて、原

判決には所論の違法はなく、判例違反の主張はその前提を缺き採るをえない。され

ば論旨いずれも刑訴四〇五条に定める上告の理由にあたらないし、同四一一条を適

用すべきものとも認められない。

弁護人菊地養之輔、同河上丈太郎、同美村貞夫の上告趣意について。

所論(第一)に摘示する判示事実の認定は原判決挙示の各証拠に照してたやすく

これを肯認することができ、その間反経験則等の違法はないから、所論の事実誤認

を前提とする判例違反の主張はその前提を缺き採るをえない。次に原判決が所論(

第二)の判示傷害の所為が、急迫不正の侵害に対する防衛のためになされたもので

あることを認定していないことは、判文上明らかなところであるから、所論判例違

反の主張は原判示にそわない事実を前提とするものでとるをえない。また、本件犯

行は昭和二三年八月二二日に行われたものであり、所論措置法がその後の同二四年

二月一日から施行となつたものであることは、所論(第三)のとおりであるが、所

論に摘示の原判示は、本件犯行に適用される刑法二〇四条の罰金刑が犯罪後の法律

たる所論措置法の二条三条によつて変更されたので、刑法六条に従つて、軽き変更

前の刑法二〇四条を適用して処断する趣旨を示したものと理解すべきは、判文上明

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らかであるから、原判決は所論刑法の規定に違反していないのは勿論、犯罪後の独

律は全然適用していないのであるといわなければならぬ。されば所論(第三)の違

憲の主張はその前提を缺き採るをえないから、論旨はいずれも刑訴四〇五条に定め

る上告の理由にあたらないし、同四一一条を適用すべきものとも認められない。

よつて刑訴施行法三条の二、刑訴四〇八条に従い裁判官全員の一致で主文のとお

り判決する。

昭和二七年二月二一日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 沢 田 竹 治 郎

裁判官 真 野 毅

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 岩 松 三 郎

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